株式投投資 分析法
PSRバリュエーション指標について
PSR(Price to Sales Ratio、株価売上高倍率)は、株式投資における代表的なバリュエーション指標の一つです。以下に整理して解説しますね。
1. PSRの基本
定義:株価売上高倍率(Price/Sales Ratio)
PSR=株価1株当たり売上高\text{PSR} = \frac{\text{株価}}{\text{1株当たり売上高}}PSR=1株当たり売上高株価
または企業全体で見る場合は、
PSR=時価総額売上高\text{PSR} = \frac{\text{時価総額}}{\text{売上高}}PSR=売上高時価総額意味:
投資家がその企業の「売上1円」に対して何円の価値をつけているかを示す指標。PER(株価収益率)が利益ベースであるのに対し、PSRは売上ベースで評価します。
2. PSRの特徴
メリット
赤字企業やスタートアップでも分析できる(利益が出ていなくても売上はあるため)。
売上は会計上の操作を受けにくく、比較的「ごまかしにくい」。
成長企業(特にITやバイオなど)の評価に使われやすい。
デメリット
利益やキャッシュフローを無視しているため、「売上は伸びているが赤字拡大」という企業の本質的な健全性を見落とすリスク。
業種ごとの適正水準が大きく異なるため、単独で判断するのは危険。
3. 一般的な水準
一般的には PSRが1倍前後 が「割安〜適正」とされることが多いです。
1倍未満:売上に対して時価総額が小さい → 割安とみなされやすい
1〜3倍:標準的な水準
10倍以上:成長期待が非常に織り込まれている状態(バブル的評価の場合も)
※ただし、業界やビジネスモデルによって基準は大きく変わります。例えば、SaaS企業は安定した高利益率が見込めるため、PSRが10倍以上でも投資対象とされることがあります。
4. 実務での活用法
同業他社との比較
業界平均や競合企業のPSRと比べて割高・割安を判断。成長率と合わせて評価(PEG的発想)
PSR単体ではなく「売上成長率」と掛け合わせると有効。
例:PSR 5倍でも売上成長率が+50%なら割安と考えられるケース。他の指標との併用
PER、PBR、フリーキャッシュフローなどと組み合わせて総合的に判断。
まとめ
PSRは「売上に対して株価が高いか安いか」を測る指標。
特に「赤字の成長企業」の評価で有効。
ただし、利益やキャッシュフローを無視するため、単独ではなく他の指標と併用することが重要。
PSR(Price/Sales、株価売上高倍率)が1倍以下の主要な日本株を、直近TTMベースの公開データから抜粋で一覧化しました(日時:2025-10-02 JST)。
補足
数値は各サイトが**TTM(直近12か月)**で計算しているPSRで、株価の変動や更新タイミングにより日中でも変わります。レンジ表記はソース間の丸め差や更新時点差によるものです。
スクリーニングを自分で再現する場合は、SBI証券スクリーナーで「PSR(株価売上高倍率)」を条件に追加し「1以下」で抽出できます。SBI証券
補足・理由
多くの情報源(株探/決算情報サイト等)は「通期売上高増収率」や「連続増収率ランキング」などを出しているものの、「50%超」という極めて高水準を条件としたフィルタは稀です。 株探+2会社四季報オンライン+2
特に大手企業では50%超の売上成長は非常に異例で、通常は中小成長企業やスタートアップがその水準を達成します。
また、決算発表や予想値がまだ確定していないケース・開示が遅れているケースも多数あり、網羅的に把握するのは難しいです。
代替案:候補を探す方法
東証グロース市場、時価総額100億円以下、新興成長株などを指定して探すスクリーニングを一緒にかけることができます。
東証グロース・スタンダード市場で「売上高増収率 > 50%」の銘柄
最近3期・5期で平均売上成長率 50%超
決算発表で「前年同期比売上高 +50%以上」を達成した銘柄(直近四半期)
東証グロース(YoY売上 +50%超)
TENTIAL(325A):2025年8月期1Qで売上高 +229.9% YoY(同社決算説明資料の「業績ハイライト」に明記)。日本取引所グループ
AnyMind Group(5027):2025年2月の決算説明で売上収益 +60% 増の説明(累計ベース)。※直近Qでは事業別の伸長が+30〜+51%(売上総利益ベース)が確認できる資料もあり。ログミーファイナンス+1
東証スタンダード
現時点でYoY売上 +50%超を直近決算で明確に確認できた銘柄は見つけられませんでした(調査中の例:オートサーバー〈5589〉はスタンダード上場だが、直近2Qは売上+1.3%YoYの記載)。日本取引所グループ+1
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